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最新法令情報

2007年 8月31日 (金) 掲載

8月分「中華人民共和国労働契約法」
来年1月1日から施行される中国労働契約法の訳文です。同法は、中国における日系企業の労務管理に重大な影響を与えますので、是非ご参考にして下さい。
  なお、弊所では労働契約法に則った労働契約書および就業規則のひな形を用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。


中華人民共和国労働契約法

目  次
第一章 総 則
第二章 労働契約の締結
第三章 労働契約の履行と変更
第四章 労働契約の解除と終了
第五章 特別規定
├第一節 集団契約
├第二節 派遣労働
└第三節 非全日制労働者雇用
第六章 監督検査
第七章 法律責任
第八章 附 則

第一章 総 則
第一条
労働契約制度を整え、労働契約当事者の権利義務を明確化するとともに、労働者の合法的な権益を保護し、調和と安定が取れた労働関係を形成し、発展させていくために本法を制定する。

第二条
中華人民共和国国内の企業、個人経営の経済組織、民営の非企業事務所などの組織(以下「使用者」という)と労働者が労働関係を形成し、労働契約を締結、履行、変更、解除または終了させる場合に、本法を適用する。
国家機関、事業単位、社会団体並びにこれらと労働関係を形成する労働者は労働契約を締結、履行、変更、解除または終了する際、本法に従う。

第三条
労働契約の締結は、合法、公平、平等、自発的な意思、及び協議による合意及び誠実信用の原則に従わなければならない。
労働契約は法律により締結されると拘束力を有し、当事者は、労働契約に規定された義務を履行しなければならない。

第四条
使用者は、法により内部規則を構築、整備し、労働者が享受する労働権利を保障し、労働義務を履行するのを保障しなければならない。
使用者は、労働報酬、勤務時間、休憩休暇、労働安全衛生、保険福利、職業訓練、労働規則、及び業務量管理など労働者の直接の利益に関わる規則、制度または重大事項を制定、改正、決定する場合、従業員代表大会または従業員全員との協議を行い、計画や意見を提示し、労働組合または従業員代表と平等協議により確定しなければならない。
規則、制度や重大事項の決定、実施中、労働組合または従業員がそれを不適当と認めた事項については、使用者に対し、交渉を通じた修正、改善を求める権利を有する。
使用者は労働者の直接利益に関わる規則、制度や重大事項を決定した後の結果を公示または労働者に告知しなければならない。

第五条
県級レベル以上の人民政府労働行政部門は、労働組合及び企業側代表と労働関係を健全に調整する三者体制を構築し、労働関係にかかわる重大問題を共同で検討し、解決しなければならない。

第六条
労働組合は労働者が法律規定に従い労働契約を締結、履行することを支援、指導するとともに、使用者と団体交渉体制を確立し、労働者の合法的権益を保護しなければならない。



第二章 労働契約の締結

第七条
使用者が労働者を使用する日から、労働者と労働関係が成立する。使用者は将来の調査に備え、従業員名簿を作成しなければならない。

第八条
使用者は労働者を募集採用する際、労働者に対し、勤務内容、勤務条件、勤務場所、職務上の危険、生産の安全に関する状況、労働報酬、及び労働者が求めるその他の事項について事実通りに告知しなければならない。使用者は労働者の労働契約と直接関連する基本事項について知る権利を有し、労働者は事実通りに説明しなければならない。

第九条
使用者は労働者を募集採用する際、労働者の身分証明書やその他の証明書類を預かったり、労働者に担保差し入れを求めたり、その他の名目で労働者から財物を受け取ってはならない

第十条
労働関係の締結は、書面による労働契約によらなければならない。
すでに労働関係が成立しているが、書面による労働契約を締結していない場合、使用者は採用日から1ケ月以内に書面による労働契約を締結しなければならない。
使用者と労働者とが採用前に労働契約を締結した場合、労働関係は採用日から成立する。

第十一条
使用者が採用時において、同時に書面による労働契約を締結せず、労働者の労働報酬が不明確な場合、新規採用者の労働報酬は集団契約の規定を適用する。集団契約がない場合または集団契約に規定がない場合、同一労働同一報酬を適用する。

第十二条
労働契約は固定期限契約、無期限契約、一定の業務完了を期限とする契約に分類する。

第十三条
固定期限契約とは、使用者と労働者とが契約終了時期を定めた労働契約をいう。
使用者は、労働者と協議による合意に基づき、固定期限労働契約を締結することができる。

第十四条
無期限契約とは、使用者と労働者が契約終了時期を定めない労働契約をいう。
使用者は労働者との協議による合意に基づき、無期限労働契約を締結することができる。
次の各号に掲げる状況の一つに該当する場合に、労働者が労働契約の延長を求めるか、同意して労働契約を締結する場合、労働者が固定期限労働契約の締結を求めた場合を除き、無期限労働契約を締結しなければならない。

(一)労働者が同一の使用者のもとで連続して満10年以上勤務した場合
(二)使用者が初めて労働契約制度を実施した時点、または国有企業改革により改めて労働契約を締結した時点で、労働者の勤続期間が満10年を迎えており、且つ法律に定める定年まで10年にみたない場合
(三)2回連続で固定期限労働契約を締結し、且つ労働者に本法の第三十九条、第四十条第一項、第二項に定める状況に該当せず、労働契約を延長する場合使用者が採用日から1年以内に労働者と書面による労働契約を締結しない場合、労働者と無期限労働契約を締結したものと見なす。
 
第十五条
一定の業務の完了を期限とする労働契約とは、使用者と労働者が一定の業務の完了を契約終了条件とする労働契約をいう。
使用者は労働者との協議による合意に基づき、一定の業務の完了を期限とする労働契約を締結することができる。

第十六条
労働契約は使用者と労働者が協議して合意し、労働契約の書面上に署名または押印した後効力を有する。
労働契約は使用者と労働者がそれぞれ本文1部を保有する。

第十七条
労働契約には下記に掲げる内容を含まなければならない。
(一)使用者の名称、住所と法定代表人または主な責任者
(二)労働者の氏名、住所、身分証明書またはその他有効な身分証の番号
(三)労働契約期間
(四)勤務内容と勤務場所
(五)勤務時間と休憩休暇
(六)労働報酬
(七)社会保険
(八)労働保護、労働条件と職業上の危険防止
(九)その他法律、法規が定めた事項
労働契約は前項に定める必要条項の外に、使用者と労働者とが試用期間、職業訓練、秘密保持、補充保険、福利待遇などの事項を定めることができる。

第十八条
労働契約に定めた労働報酬と労働条件などが不明確のため、紛争が生じた場合、使用者と労働者とが改めて協議することができる。協議を経て、合意に達しない場合、集団契約の規定を適用する。集団契約がないか、または集団契約に労働報酬に関する規定がない場合、同一労働同一報酬を適用する。集団契約がないか、または集団契約に労働条件などの基準に関する規定がない場合は、国家の関連規定を適用する。

第十九条
労働契約の期間が3ヶ月以上1年未満の場合、試用期間は1ヶ月を超えてはならない。労働契約の期間が1年以上3年未満の場合、試用期間は2ヶ月を超えてはならない。3年以上の固定期限契約または無期限契約の場合、試用期間は6ヶ月を超えてはならない。
同一使用者は同一労働者と1回のみ試用期間を定めることができる。
一定の業務完了を期限とする労働契約または労働契約の期間が3ヶ月未満の場合は、試用期間を設けることはできない。
試用期間は労働契約の期限に含まれる。試用期間のみについて定める労働契約では試用期間は成立しないものとする。当該期間が労働契約の期間とみなす。

第二十条
労働者の試用期間における賃金は同一職場の同等職位における最低賃金または正式雇用の場合の賃金の80%を下回ってはならない。且つ、現地の最低賃金を下回ってはならない。

第二十一条
試用期間中は、労働者が本法第三十九条、第四十条の第一項、第二項に規定する状況に該当する以外は、労働契約を解除することができない。使用者は試用期間内に労働契約を解除する場合、労働者に解除の理由を説明しなければならない。

第二十二条
使用者が労働者のために業務技能訓練費を支払い、専門的な技術訓練を受けさせた場合は、当該労働者と協議し、勤務期間を約定することができる。
労働者が勤務期間の約定に違反した場合、約定の規定により、使用者に対し違約金を支払わなければならない。違約金の金額は未履行の勤務期間で按分した訓練費用を超えてはならない。
使用者と労働者とが勤務期間を約定した場合でも、勤務期間における正常な賃金調整による昇給に影響を与えないものとする。

第二十三条
使用者と労働者は、労働契約の中に使用者の商業秘密や知的財産権に関する秘密事項を保持することを約定することができる。
秘密保持義務を負う労働者に対して、使用者は労働契約または秘密保持協定に労働者の競業制限条項を定めることができる。また、労働契約の解除または終了後、使用者は競業制限期間内において、毎月経済補償金額を支払うものとする。労働者が競業制限約定に違反した場合、約定により、使用者に違約金を支払わなければならない。

第二十四条
競業制限の対象は、雇用単位内の高級管理人員、高級技術人員とその他秘密保持義務を負う人員に限る。競業制限の範囲、地域、期限は使用者と労働者の約定によるものとする。競業制限の約定は法律、法規の規定に違反してはならない。
労働契約の解除または終了後、前項に規定される人員は元の使用者と競業する業務を自ら行い、または他人のために行ってはならない、競業制限期間は、最長でも2年間を超えてはならない。

第二十五条
本法第二十二条、第二十三条が定める状況以外に、使用者は労働者に違約金支払いを求める契約を締結することができない。

第二十六条
次の各号に掲げる事由に該当する場合、労働契約は無効、または一部無効とする。
(一)使用者が詐欺、脅迫の手段または他人の困窮に乗じるなどの手段を用いて、労働契約を締結または労働契約を変更した場合
(二)使用者が自己の法定責任を免れたり、労働者の権利を排除した場合
(三)法律、行政法規の強制力を伴う規定に違反した場合
労働契約の無効または一部無効について争いがある場合は、労働紛争仲裁委員会または人民法院が確認する。

第二十七条
労働契約の一部の無効が確認された場合においても、その他の部分効力に影響はなく、依然として効力を有する。

第二十八条
労働契約が無効と確認された場合、労働者がすでに行った労働に対し、使用者は労働者に報酬を支払わなければならない。報酬額は、同一または類似職位の労働者の報酬を参考にして確定される。



第三章 労働契約の履行と変更

第二十九条
使用者と労働者は労働契約の規定に従い、各自の義務を全面的に履行しなければならない。

第三十条
使用者は労働契約の規定と国家の規定に基づき、労働者に遅滞なく、全額の労働報酬を支給しなければならない。
労働報酬の遅延、不足がある場合、労働者は現地の人民法院に支払命令を申請することができる。人民法院は法律に従い支払い命令を下す。

第三十一条
使用者は業務量基準を厳格に運用し、強要または強要に該当し得るその他の手段で労働者に時間外労働をさせてはならない。使用者が時間外労働をさせる場合は、国家の関連規定に従い、労働者に時間外勤務手当を支払わなければならない。    

第三十二条
労働者が職場の規定や制度に違反した管理職の指揮や危険作業の命令を拒否しても労働契約に違反したとは見なされない。
労働者は、生命の安全や身体の健康に危害を及ぼす労働条件について、使用者に苦情を述べたり、通報、告発を行う権利を有する。

第三十三条
雇用単位の名称、法定代表人、主な責任者、投資人などに変更があっても、労働契約の履行に影響を及ぼさないものとする。

第三十四条
使用者が合併または分割された場合、既存の労働契約は継続して有効で、労働契約はその権利と義務を承継する使用者が継続して履行する。

第三十五条
使用者と労働者は協議による合意を経て、労働契約の内容を変更することができる。労働契約の変更は書面によらなければならない。
変更後の労働契約は使用者と労働者が本文一部ずつを保有する。



第四章 労働契約の解除と終了

第三十六条
使用者と労働者とが協議により合意すれば、労働契約を解除することができる。

第三十七条
労働者は30日前に書面で使用者に通知すれば、労働契約を解除することができる。試用期間内においては3日前に通知すれば、労働契約を解除することができる。

第三十八条
雇用単位が次の各号に掲げる事由の一つに該当する場合は、労働者は労働契約を解除することができる。
(一)使用者が労働契約の規定通りに労働条件または労働保護を提供しない場合
(二)使用者が労働報酬をしかるべき時期に全額支給をしない場合
(三)使用者が労働者のために社会保険費を納付しない場合
(四)使用者の規則、制度が法律、法規に違反し労働者の権益を損なう場合
(五)本法第二十六条第一項の規定の状況により労働契約が無効になる場合
(六)その他、法律、法規の規定により労働者が労働契約を解除できる場合
使用者が暴力、脅迫、または不法に人身の自由を制限するなどの手段により、労働を強制するとき、また使用者が規定に違反する指揮を行ったり、危険な作業を強制し労働者の人身の安全に危害を及ぼした場合には、労働者は雇用単位に通知せずに、直ちに労働契約を解除することができる。

第三十九条
労働者が次の各号に掲げる事由の一つに該当する場合は、雇用単位は労働契約を解除することができる
(一)試用期間中、採用条件に不適合であることが証明されたとき
(二)使用者の規定や制度に著しく違反したとき
(三)著しい職務懈怠または横領や不正があり、雇用単位の利益に対して重大な損失をもたらしたとき
(四)労働者が他の会社と同時に労働契約を締結し、業務遂行に著しい影響を与えた場合、または使用者が注意しても、労働者が改善することを拒否したとき
(五)本法第二十六条第一項一号に定める状況で労働契約が無効になる場合
(六)法律に基づき刑事責任を追及された場合

第四十条
次の各号に掲げる事由の一つに該当する場合、使用者は30日前に書面により労働者本人に通知するか、1ケ月分の賃金を支払えば、労働契約を解除することができる。
(一)労働者が疾病を患い、または業務外の理由により負傷した場合において、医療期間満了後も従来の業務に従事することができず、雇用単位が別に手配する業務にも従事することができないとき
(二)労動者が職務に堪えることができず、研修や職場変更後も、なお職務に堪えることができないとき。
(三)従来の労動契約を締結したときに根拠となった客観的状況に重大な変化が生じ、従来の労働契約を履行することが不可能となった場合で、当事者が協議を経て、労働契約の変更につき合意に達することができなかったとき。

第四十一条
次の事由により、20人以上の人員削減を行う場合、または削減数は20人未満だが従業員総数の10%以上に当たる場合、使用者は30日前までに、労働組合または従業員全員に状況を説明し、労働組合と従業員の意見を聴取した後、人員削減計画を労働行政部門に報告することにより、人員を削減することができる。
(一)企業破産法により再編を行う場合
(二)生産経営に著しい困難が生じた場合
(三)企業が生産品目を変更し、或いは重大な技術革新、経営方式の変更を行い、労働契約を変更してもさらに人員削減が必要な場合
(四)その他の要因で労働契約が締結された時点において根拠となった客観的な経済状況に重大な変化が生じ、労働契約の履行が不可能となった場合
リストラを実施する場合、以下の人員を優先的に継続雇用しなければならない。
(一)使用者とより長期間の固定期限労働契約を締結した労働者
(二)使用者と無期限契約を締結した労働者
(三)家庭に他の労働者がなく、高齢者や未成年者を扶養している労働者
使用者は、本条の第一項の規定により人員を削減し、6ヶ月以内に人員を採用する場合、削減された人員を同等条件で優先雇用しなければならない。

第四十二条
労働者が次の各号に掲げる事由の何れか一つに該当する場合、使用者は本法第四十条、第四十一条の規定により、労働契約を解除してはならない。
(一)職務病の危険がある作業に従事、接触し、離職前に健康検査を実施しなかった場合、または職務病を罹患したと疑われる患者が診断または医学的観察期間内にある場合
(二)業務上の疾病に罹患し、または業務上の理由により負傷し、且つ、労働能力を喪失し、または一部喪失したこたが確認された場合
(三)罹患しまたは業務外で負傷し、規定された療養期間内にある場合
(四)女子従業員が妊娠、出産、授乳期間内にある場合
(五)使用者のもとで勤続15年以上で、且つ法律の定める定年まで5年以内の場合
(六)法律、行政法規に規定するその他の事由がある場合

第四十三条
使用者が一方的に労働契約を解除する場合、予めその理由を労働組合に説明しなければならない。使用者が法律、行政法規または労働契約の規定に違反した場合、労働組合は使用者に対し、その是正を要求する権限を有する。使用者は労働組合の意見を検討し、且つ処理の結果を書面で労働組合に通知しなければならない。

第四十四条
次の各号に掲げる事由の一つに該当する場合は、労働契約は終了する。
(一)労働契約の期間が満了した場合
(二)労働者が法により基本養老保険を受け始めた場合
(三)労働者が死亡し、人民法院に死亡または失踪宣告された場合
(四)雇用単位が法により破産宣告を受けた場合
(五)雇用単位が営業免許を取り消されるか、閉鎖を命じられ、または使用者が繰り上げ解散した場合
(六)法律、行政法規が定めるその他の事由がある場合

第四十五条
労働契約の期間が満了する際、本法第四十二条が規定する事由の何れか一つに該当する場合、労働契約はその状況が消失するまで延長しなければならない。但し、本法第四十二条第二項が規定する労働能力の喪失または一部喪失した労働者の労働契約の終了は国家の業務上負傷保険の規定に従い執行する。

第四十六条
次の各号に掲げる事由の一つに該当する場合、使用者が労働者に経済補償を支払わなければならない。
(一)労働者が本法の第三十八条の規定により、労働契約を解除した場合
(二)使用者は本法第三十六条の規定により、労働者に労働契約の解除を求め、且つ労働者と協議による合意で労働契約を解除した場合
(三)使用者が本法第四十条の規定により、労働契約を解除した場合
(四)使用者が本法第四十一条第一項の規定により、労働契約を解除した場合
(五)使用者が労働契約の維持または改善を示し労働契約の更新を求めたが、労働者が労働契約の更新に同意しなかった場合を除き、本法第四十四条第一項の規定により固定期限労働契約を終了する場合
(六)本法第四十四条第四号、第五号の規定により、労働契約を終了した場合
(七)法律、行政法規が定めるその他の事由があるとき

第四十七条
経済保障は労働者の勤続年数に応じて、満1年につき1ヶ月の賃金に相当する経済的保証金を支払う。労働者の勤続期間が6ヶ月以上1年未満の場合は、1年として計算する。6ヶ月未満の場合は、労働者に半月分の賃金に相当する経済的補償金を支払う。
労働者の月給が雇用単位が所在する直轄市、市級人民政府が発表した前年度のその地域における従業員の平均月給の3倍を上回る場合、当該労働者に支払う経済的補償金の基準は従業員平均月給の3倍とし、支給期間は最長で12年を超えないものとする。
本条にいう月給は、労働者が労働契約の解除または終了する前の12ヶ     月の平均賃金を指す。

第四十八条
使用者が本法の規定に違反して労働契約を解除または終了しようとする際、労働者が継続して労働契約の履行を要求した場合、使用者はそれに応じなければならない。労働者が継続して労働契約の履行を要求しない場合、または労働契約の履行がすでに不可能な場合、使用者は本法第八十七条の規定に基づき賠償金を支払わなければならない。

第四十九条
国家は労働者の社会保険について地域を越えて移籍継続できる制度を整えるための措置を講じる。

第五十条
使用者は労働契約を解除または終了する際、労働契約の解除または終了に関する証明書を交付しなければならない。且つ、15日以内に労働者のために身上調査書と社会保険の移転手続きを行わなければならない。
労働者は双方の合意に従い、業務引継を行わなければならない。使用者が経済保障を支払う必要がある場合は、業務引継終了時点において労働者に支払うものとする。
使用者は解除または終了した労働契約の原本を後の調査のため、少なくとも2年間保存しなければならない。



第五章 特別規定

第一節 集団契約

第五十一条
企業従業員は使用者と平等協議を経て、労働報酬、勤務時間、休憩休暇、労働安全衛生、保険福利などの事項について集団契約を締結することができる。集団契約の草案は従業員代表大会に提出し、または従業員全員による協議を経て可決しなければならない。
集団契約は労働組合が企業従業員側を代表し、使用者と締結する。労働組合を設立していない企業の場合は、上級組織の労働組合の指導により推挙された従業員代表と使用者との間で締結するものとする。

第五十二条
企業従業員は使用者と労働安全衛生、女性従業員の権益保護、賃金調整 制度に関する特定内容の集団契約を締結することができる。

第五十三条
県以下の行政地域内では、建築業、鉱業、飲食業などの業種において、労働組合と企業の代表が業種別または地域内の集団契約を締結することができる。

第五十四条
集団契約は締結後、労働行政部門に届け出る必要がある。労働行政部門から15日以内に異議がなければ、集団契約がは効力を生じる。
法により締結された集団契約は使用者と労働者の双方に拘束力を有する。業種別、地域内の集団労働契約は対象業種、対象地域の使用者と労働者の双方に拘束力を有する。

第五十五条
集団契約に定める労働報酬と労働条件などの基準は現地政府が規定する最低基準を下回ってはならない。使用者と労働者が締結した労働契約中の労働報酬と労働条件などの基準も集団契約に規定する基準を下回ってはならない。

第五十六条
使用者が集団契約に違反し、労働者の労働権益を侵害した場合、労働組合は法律に基づき、使用者が責任を負うことを要求することができる。集団契約を履行中紛争が生じ、協議により解決できない場合、労働組合は法律に基づき仲裁を申し立てるか、訴訟を提起することができる。



第二節 労働者派遣

第五十七条
労働派遣会社は会社法の規定に基づき設立され、登録資本金が50万元を下回ってはならない。

第五十八条
労働派遣会社は本法にいう雇用単位であり、雇用単位の労働者に対する義務を履行しなければならない。労働派遣会社と派遣社員が締結する労働契には、本法第十七条に掲げる事項以外に、派遣社員の派遣先、派遣期間、勤務部署などを明記しなければならない。
労働派遣会社は派遣社員と2年以上の固定期間労働契約を締結し、毎月労働報酬を支払わなければならない。派遣社員に仕事がない期間でも、労働派遣会社は現地の最低賃金基準に基づき、毎月派遣社員に報酬を支払わなければならない。

第五十九条
労働派遣会社は労働者を派遣する際に、労働派遣の形で労働者を使用する単位(以下「派遣先」という)と労働派遣協議を締結しなければならない。労働派遣協議には派遣職場、従業員人数、派遣期間、労働報酬、と社会保険費の金額と支払方式及び協議に違反した場合の責任を約定しなければならない。
派遣先は実際の需要に基づき労働者派遣会社と派遣期間を決定するものとし、連続する派遣期間を分割して短期の労働者派遣契約を締結してはならない。

第六十条
労働派遣会社は労働派遣協議の内容を派遣社員に告知しなければならない。
労働派遣会社は、派遣先が労働派遣協議により派遣社員に支払う労働報酬から金銭を差し引いてはならない。
労働派遣会社と派遣先は派遣労働者から費用を徴収してはならない。

第六十一条
労働派遣会社が他の地区に労働者を派遣する場合、派遣社員が享受する労働報酬と労働条件は派遣先の所在地の基準による。

第六十二条
派遣先は次の各号に掲げる義務を履行しなければならない
(一)国家の労働基準を適用し、相応の労働条件と労働保護を提供しなければならない。
(二)派遣社員に対し業務要求と労働報酬を告知しなければならない。
(三)時間外勤務手当、業績賞与、職位と相当する福利待遇を提供しなければならない。
(四)派遣社員に職位に対応する必要な業務訓練を与えなければならない。
(五)継続的な雇用に対し、通常の賃金調整を実施しなければならない。
派遣先は派遣社員をその他の派遣先に派遣してはならない。

第六十三条
派遣社員は派遣先の労働者と同一職種同一報酬の賃金を受け取る権利を有する。派遣先に同一職種がない場合には、派遣先所在地の同一職種または業務内容が近い職種の労働者の労働報酬を参考にして決定する。

第六十四条
派遣社員は労働派遣会社または派遣先で法律に応じ労働組合に参加し、または労働組合を結成し、自身の適法権益を守る権利を有する。

第六十五条
派遣社員は本法第三十六条、第三十八条の規定に従い、労働派遣会社との労働契約を解除するとこができる。
派遣社員に本法の第三十九条、第四十条第一号、第二号に規定する状況がある場合、派遣先は派遣社員を労働派遣会社に戻すことができ、労働派遣会社は本法の関連規定に基づき、派遣社員との労働契約を解除することができる。

第六十六条
労働者派遣は一般的に臨時的、補助的または代替的な職場に限る。

第六十七条
使用者は自社または系列事業所で派遣会社を設立し、自社に社員を派遣することを禁ずる。



第三節 非全日制労働者雇用

第六十八条
非全日制労働者雇用は、主に時給で報酬を支払い、同一雇用単位における労働時間が一般的に1日当たり平均4時間、一週間当たり24時間を超えない雇用形式をいう。

第六十九条
非全日制労働者雇用では、当事者双方が口頭にて協議を締結することができる。
非全日制の労働者は一つまたは複数の使用者と労働契約を締結することができる。但し、後に締結した労働契約は先に締結した労働契約の履行に影響を与えてはならない。

第七十条
非全日制労働者雇用の場合には、当事者双方は試用期間を設けることができない。

第七十一条
非全日制労働者雇用の当事者の一方は随時に相手方に通知し、労働関係を終了することができる。その場合、使用者は労働者に対し経済補償を支払わないものとする。

第七十二条
非全日制労働者雇用における1時間あたりの賃金は現地政府が規定する最低賃金基準を下回ってはならない。
非全日制労働者雇用の報酬払い周期は長くても15日を超えてはならない。



第六章 監督検査

第七十三条
国務院労働行政部門は、全国の労働契約制度の実施についての監督管理を行う。
県レベル以上の地方人民政府労働行政部門は、本行政地域の労働契約制度の実施についての監督管理を行う。
県レベル以上の地方人民政府労働行政部門は、労働契約制度の実施について監督管理する際、労働組合、企業代表及び関係業界主管部門の意見を聴取しなければならない。

第七十四条
県レベル以上の人民政府労働行政部門は法律に基づき、下記の労働契約制度の実施状況に対し監督検査を行う。
(一)雇用単位が労働者の直接的利益に関わる規定、制度とその実施状況
(二)雇用単位と労働者による労働契約の締結、解除の状況
(三)労働派遣会社と雇用先による労働者派遣に関する規定の遵守状況
(四)雇用単位による労働時間、休憩休暇に関する国家規定の遵守状況
(五)使用者による労働契約に定められた労働報酬支払いと最低賃金基準の実施に関する状況
(六)使用者による各種社会保険加入と社会保険費納付に関する状況
(七)法律、法規に?定されたその他の労働監査事項。

第七十五条
県レベル以上の地方人民政府労働行政部門が監督検査を行う際、労働契約、集団契約に関する資料を検査、閲覧し、且つ勤務場所に対し検査を行う権限を有する。雇用単位と労働者は事実どおりに関連状況を説明し、資料を提供しなければならない。
労働行政部門の監督検査員が公務を執行する場合、身分証明書を提示し,公平に法律を執行しなければならない

第七十六条
県レベル以上の人民政府の建設、衛生、安全生産監督管理などの関係主管部門は、各自の職責の範囲内において、使用者による労働契約制度の実施状況についての監督検査を行う。

第七十七条
労働者は合法的権益が侵害された場合、関係部門に法律に基づく処理を要求し、仲裁を申請し、訴訟を提起する権限を有する。

第七十八条
労働組合は法律に基づき労働者の合法的権益を保護し、使用者の労働契約、集団契約の履行状況について監督を行う。使用者が労働関連の法律、法規、労働契約、集団契約に違反した場合、労働組合は意見を提出または是正を要求する権限を有する。労働者が仲裁を申し立て、訴訟を提起した場合、労働組合はこれを支持し、援助しなければならない。

第七十九条
いかなる単位及び個人も、本法に違反する行為について、通報する権利を有する。県レベル以上の人民政府労働行政部門は速やかに確認、処理し、通報者には奨励を与えなければならない。



第七章 法律責任

第八十条
労働者の直接的利益に関わる規則、制度が法律、行政法規の規定に違反した場合、労働行政部門は使用者に対し是正を命じ、警告を与えることができる。労働者に損害をもたらした場合には、使用者は損害賠償責任を負わなければならない。

第八十一条
使用者が提供した労働契約の文面に本法に規定する労働契約の必要条項を明記しなかった場合、または使用者が労働契約の文面を労働者に交付しなかった場合、労働行政部門はこれを是正することを命じることができる。労働者に損害を与えた場合、使用者は損害賠償責任を負わなければならない。

第八十二条
使用者は労働者を使用した日から1ケ月超1年未満の間に書面で労働契約を締結しない場合は、労働者に毎月2倍の給料を支払わなければならない。
使用者が本法の規定に違反し、労働者と無期限契約を締結しない場合、無期限契約を締結すべき日から起算して、毎月労働者に2倍の給料を支払わなければならない。

第八十三条
使用者が本法に違反して、労働者との間で試用期間を約定した場合、労働行政部門は是正を命じることができる。法律に反して約定された試用期間がすでに履行された場合、使用者は労働者の試用期間満了後の賃金を基準とし、すでに履行した法定試用期間を超えた期間について労働者に損害賠償金を支払わなければならない。

第八十四条
使用者が本法の規定に違反して、労働者の身分証明書などの証明書類を預かった場合、労働行政部門は使用者に対し、直ちにそれを労働者本人に返還するよう命じなければならない。且つ、関係法律に基づき、使用者に処罰を与える。
使用者が本法の規定に違反し、担保またはその他の名義で労働者から財物を受け取った場合、労働行政部門は使用者に対し、それを労働者本人に返還するよう命じなければならない。且つ、1人当たり500元以上2000元以下の基準により罰金を科す。労働者に損害が生じた場合、使用者は損害賠償責任を負わなければならない。
労働者が法律に基づき労働契約を解除または終了する際、使用者が労働者の個人資料またはその他の品物を返却しない場合、前項の規定により処罰する。

第八十五条
使用者が次の各号に掲げる事由の何れか一つに該当する場合は、労働行政部門は期限を定めて労働報酬、時間外勤務手当、及び経済補償の支払いを命じることができる。労働報酬が現地最低賃金基準を下回る場合は、その差額を支払わなければならない。適時に支払わない場合、支給すべき金額の50%以上100%以下の基準により、加算賠償金の支払いを命じることができる。
(一)労働契約または国家規定に従わず、労働者に期日までに労働報酬を支払わない場合
(二)賃金が現地の最低賃金基準を下回る場合
(三)時間外勤務に対し、時間外勤務手当を支給しない場合
(四)労働契約を解除または終了後、本法の規定に基づく経済補償を支払わない場合

第八十六条
労働契約の無効が本法第26条の規定により確認され、相手方に損害を与えた場合は、過失がある一方が損害賠償責任を負う。

第八十七条
使用者が本法律規定に違反し、労働契約を解除または終了した場合には、本法第四十七条に規定された経済補償の2倍相当額を労働者に賠償金として支払わなければならない。

第八十八条
使用者が次の事由に何れか一つに該当する場合、法律により行政処罰を科す。犯罪を構成する場合には、法律に基づき刑事責任を追及する。労働者に損害を与えた場合、法律に基づき損害賠償責任を負う。
(一)暴力、脅迫、または不法に人身の9自由を制限する手段により労働を強制した場合
(二)違法指示または危険労働を強制し、労働者の身体の安全に危害を与えた場合
(三)労働者を侮辱し、体罰を加え、殴打し、不法に捜査し、及び拘禁した場合
(四)劣悪な労働条件、深刻な環境汚染により、労働者の健康に重大な損害を与えた場合

第八十九条
使用者が本法の規定に違反し、労働者に労働契約の解除または終了に関する書面書類を交付しなかった場合、労働行政部門は是正を命じることができる。労働者に損害を与えた場合、使用者は損害賠償責任を負わなければならない。

第九十条
労働者が本法律に違反して労働契約を解除し、または労働契約に約定した秘密保持義務または就業制限に違反し、雇用単位に損害を与えた場合は、損害賠償責任を負わなければならない。

第九十一条
使用者が労働契約を解除していない労働者を採用し、元の使用者に経済  的損害を与えた場合、当該使用者は、法律により連帯賠償責任を負わなければならない。

第九十二条
労働派遣会社が本法に規定に違反した場合、労働行政部門とその他の主管部門はそれを是正するよう命じる。情状の程度が重大な場合、1人当たりに1千元以上5千元以下の基準により罰金を科し、且つ工商行政管理部門が営業免許を取り消す。派遣社員に損害を与えた場合、労働派遣会社と派遣先が連帯賠償責任を負うものとする。

第九十三条
合法的な経営資格を備えない使用者の違法、犯罪行為に対しては、法律に基づき法的責任を追及する。労働者が既に労働を提供した場合には、当該使用者または出資者が本法律の関係規定に従い労働者に労働報酬、経済補償金、賠償金を支払う。労働者に損害を与えた場合、損害賠償責任を負う。

第九十四条
個人請負業者が本法律に違反して労働者を採用し、労働者に損害を与えた場合、発注元の組織と個人請負業者が連帯して賠償責任を負う。

第九十五条
労働行政部門と関係主管部門またはその係官が職務を怠り、法律に定められた職責を履行しなかったり、職権を濫用し、労働者または雇用単位に損害を与えた場合、損害賠償責任を負わなければならない。直接責任を負う管理職とその他直接責任を負う者に対して、行政処分を科し、犯罪を構成する場合には、法律に基づき刑事責任を追及する。



第八章 附則

第九十六条
雇用単位と招聘制による従業員が労働契約を締結、履行、変更、解除、終了する場合、法律や行政法規または国務院による規定がある場合は、その規定に従う。規定が内場合は本法律の関連規定を適用する。

第九十七条
本法律の施行前に既に締結され、本法律施行日に存続中の労働契約は、継続して履行されるものとする。本法律第十四条第二項第三号に規定する期限付き労働契約の回数は、本法律施行後の期限付き労働契約を更新した時点から起算する。
本法律の施行前に成立した労働関係で、書面による労働契約が締結されていない場合は、本法律施行後1ヶ月以内に締結しなければならない。
本法律の施行日に存続中の労働契約を本法律の施行後に解除または終了する場合は、本法律第四十六条の規定に従い経済補償を支払わなければならない。経済補償の年限は本法律施行の日から起算する。本法律施行前の関連規定により労働者に経済補償を支払うべき使用者には、当時の関連規定を適用する。

第九十八条
本法律は2008年1月1日に施行する。
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